福島第一原発事故
あの時日本中が混乱していた。
ただでさえ津波で大勢の人が亡くなり、住む家や会社も流されて救助の人々が現地で必死に活動している時、原発事故のニュースが飛び込んできた。
正直、原発事故のニュースを見てもただ、大変だなぐらいにしか思っていなかった。
原発事故がどのようなものか、どれぐらい大変なことなのかよく分かっていなかったからだと思う。
原発事故のことはチェルノブイリでの事故を昔ニュースでみたけど、あまり気にもしてなかった。
事故が起きたあと、すぐに周辺の市町村の人々に避難指示が出て、大掛かりとなった。
私が思ったのはその時、津波で被害に遭った人達の救助は?捜索は?みんな避難しなければいけないのなら、捜索隊の人達も当然•••
そのことがまず頭に浮かび、私自身パニックになった。
まだ生きていて助けを待っている人もいるかもしれないのに助けられないの?
もちろんそれだけではなかった。
その後、セシウムの影響で野菜などの作物なども放射線のレベルを計ってからではないと出荷出来なかったり、基準を超えてしまったら全部破棄されてしまう。
世界では干ばつなどで食べるものもほとんどなかったり、飲み水の確保も大変だったりする国もある。
その人達が日本のそういう状況を知ったらどうおもうのか?
日本は水も豊富にあり、作物も天候に若干左右されたりしても収穫出来る。
なのに事故が起きたら大変なことになるのを分かっているはずなのにそういうものを作り、普通だったら食べれるはずのものを捨てなくてはならなくなる
ようにしてしまったのだから。
私はそれがすごく衝撃的だった。
動物達も、避難のために置いていかれて過酷な状況のなか、必死で生きている映像も見た。
みんな人間の犠牲だと思った。
そして避難者に対するいじめ。
正直バカらしいと思った。そして情けないと思った。
避難者は東電から賠償金をいっぱい貰っているとか言ってお金をまきあげ?たり、大人の世界でも給料を上げなかったり、しまいには放射能が移る?
私ら障害者よりあんたたちのほうが余程おかしいじゃないと思ってしまうぐらい怒りがおさまらなかった。
賠償金を貰っているのは一部の人だし、自主避難している人は多少家賃補助とかあっても、貰っていないと聞いている。
たとえ賠償金をもらっていても、避難者がどういう気持ちで長年住んでいた場所を離れなければいけなかったか、どういう気持ちで慣れない土地で生活しているか考えたら、差別したりいじめたりはできないと思う。
中には家族バラバラに生活しなくてはならない人達もいると聞いている。
放射能が移るとか大人の人でも差別する人がいると聞いたが、よく病院でレントゲンとか撮ったりするときに浴びているのでは?
あれもレントゲン撮った人に近づいたり触れたりしたら移るのか?頭の悪い私は当時、本気で考え込んでしまった。
高濃度の汚染物質を所持していれば、多少影響あるかもだけど、少なくとも避難者がそんなものを持ち歩くとは考えられないし、周りに影響あるものを持っていたらまず、その人自身被爆の影響でおかしくなると思う。
そもそも触れただけで移る位の被爆をしていたら、避難者本人は普通に生活出来るの?生きていられるのか?
いろんな思いが浮かんできた。
いま私達は電気のおかげで便利で豊かな生活をおくれている。
でも、ひとたび事故が起きてしまうと命や健康不安、その他いろんなリスクを遥か先まで背負わないといけなくなることをわすれてはならないと思った。
それに、原発はあちこちにある。
どこでどんな事故が起きてもおかしくないと思う。
変なことを考えている人が同時テロを起こさないとは限らない。
当然どこまで汚染されるかわからない。
そうなったら、自分は大丈夫とは思えない。明日は我が身という言葉がある。
どうか、原発事故の避難者の方々が今後落ち着いた幸せな生活が送れますように。
ふるさとに帰りたいと願う人が何の心配もすることなく、ふるさとに帰って生活することができるようになりますように。
原発事故が原因の健康被害が出ず、健康に暮らしていけますように。
心からそう願ってます。